アークウェブのCSR指針

文責:中野 宗

このページはなにか

このページでは、アークウェブが「企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)」について考えていること、取り組んでいることを説明しています。

このページは以下のような人に読まれることを意識して掲出しています。

  • 第一に読んでほしいのは、アークウェブのスタッフ。スタッフ一人ひとりが自社の社会的責任について理解し、その価値観を重んじて行動してほしいのです。
  • 次に読んでいただきたいのはお客様、同業他社、地域の方々など。アークウェブはこういう価値観を持ち、それを体現すべく努力している会社だと知っていただきたいと考えています。

この文章は暫定的なもので、書き換えることがあります。
アークウェブは「アジャイル(Agile:迅速)」という価値観を重んじ、実践している会社です。熟慮の末にゆっくりと答えを出すのでなく、拙速でも暫定解を出し、それを信じてまずは行動してみることをモットーにしています。CSRにおいても、同様の姿勢で臨むつもりです。

アークウェブが考える「CSR(企業の社会的責任)」とは

企業と社会との関係づくりにおける先進地域であるヨーロッパでは、CSRは「企業が、社会問題と環境問題を(従来の財務問題と同じように企業の責務として)利害関係者とのやり取りの中に自主的に組み込むこと」と定義されているそうです。

企業は社会によって生かされている存在であり、社会が企業に期待するものに耳を傾ける必要があります。そこで最近の世の中の動きに目を向けると、以下のような傾向があります。

  • 情報技術の発達は私たちの暮らしを豊かにしたが、一方で情報は瞬時に社会全体に伝わるため、人々は公平、公明、公正という原則により敏感になってきた
  • 次々と発表される科学データによって、地球環境の悪化は明白なものだという認識が広まった。そのため、生物多様性や生態系を守ることの重要性がクロースアップされ、対策が不可欠だという世論が強まっている
  • 企業においては非財務的要素、すなわち「社会問題」や「環境問題」が中枢課題として位置づけられ、そのような問題への対応のよしあしが企業価値の判断に含められるようになってきた

(書籍「CSR入門」より)

現代社会では、企業が大きな力を持ち世の中をのし歩いています。ある多国籍企業の年間予算は小国の国家予算を超えるほどの額だといった点からも、「企業が何を考えどんな行動をするか」は社会に大きな影響を与えるということがわかります。

一般の人だけでなく経営者にも「会社は利益を出すための存在だ」と言ってのける人がいますが、本当にそうでしょうか。
地球上の人口はすでに地球の扶養力を上回っており、必要な資源や、二酸化炭素を吸収する土地の面積などはすでに許容量を大きく超えているという指摘が多数出されています。そんな中で企業がこれから先も利益至上主義に走れば、環境に与える悪影響は計り知れません。

社会にとって重要なアクターである企業が利益の極大化だけをめざすべきだという経営観は、すでに終わっています。経営学の大家である故ピーター・ドラッカー氏も「利益は企業存続の条件であって目的ではない」(書籍「現代の経営」)と言っています。

また、企業が法律の上では「法人」という「人」に擬せられていることの意義を考えてみたいのです。
人の望ましい行動、尊敬される条件とはどんなものでしょうか? あなたがビジネスパーソンであっても、仕事一辺倒ではなく、家族を大切にし、地域や社会の問題にも関心を持つなど幅広い活動が望まれます。このように「全人的」な生き方ができる人は尊敬されます。
法的な「人」である企業も、このように全人的に振舞うことが大切ではないでしょうか。企業に関わる社員、お客様、パートナーはもちろん、日本社会・国際社会や地球環境も大事なステークホルダー(利害関係者)なのだと認め、大切にしようと考え、行動するべきだと思います。

アークウェブは、自社をとりまくステークホルダーからよい評価をいただくことができる「全人的な会社」になるために、責任を果たしたいと思います。

アークウェブが社会的責任を果たすために重視すること

アークウェブはCSRにおける最も大切なこととして、「本業でできること」「ウェブの専門家だからできること」を模索することで「ならでは」の価値を創造し、高めていきます。

本業での貢献:Webアクセシビリティを普及させ、多くの人が使えるウェブサイトを増やす

インターネットで提供される情報やサービスが加速度的に増え、社会のインフラとして欠かせないものになればなるほど、その恩恵に与ることができない人たち(いわゆる情報弱者)はますます取り残されていきます。

情報弱者、なかでもウェブ利用時に強い不利益をこうむりやすい視覚障害者・聴覚障害者・高齢者などへの考慮を謳う「Webアクセシビリティ」については、W3Cが国際標準を定め、国内でもJISが標準規格を策定しています。
しかし世の中のウェブサイトのWebアクセシビリティの取り組みは、利益偏重、サイト運営者の無知、そして何よりウェブ制作者の努力不足などが原因となり、遅々として進んでいません。

ぼくたちが価値と未来を信じて日々制作しているウェブサイトこそが「情報格差」を助長する大きな原因になっているのではないか。だとしたら、この問題を解決せずにCSRも何もないのでは。
本業での社会的責任の意味を突きつめるうち、この原罪ともいえる「できていなかったこと」にようやく気づきました。

アークウェブは、本業で果たす社会的責任の中で「Webアクセシビリティの普及」を一番重要なテーマとします。そして、標準規格「JIS X 8341-3」に準拠したウェブサイト構築、アクセシビリティ普及活動への参画、自社が関わるECソフトウェア「Zen Cart」の改善などを通じて「できるだけ多くの人がウェブを使える未来」を実現するべく努力します。

本業での貢献:オープンソースのECソフトウェア「Zen Cart」の健全な発展

アークウェブの本業におけるもう一つの重要な取り組みは、オープンソースのECサイト構築ソフトウェア「Zen Cart」の市場の健全な発展に力を尽くすことです。

2004年にアークウェブが中心となって日本語化を行いリリースした「Zen Cart日本語版」によって、日本でも高機能なECサイトが手軽かつ安価に構築できるようになりました。Zen CartによるECサイトは、今では国内でも100を超えているでしょう。

日本語化プロジェクトをはじめたときには予想できませんでしたが、ECビジネスを手軽にスタートできる「自由」、それらを支援するビジネスの「活気」など、Zen Cartというソフトウェアは日本の沢山の人たちを幸せにしているのだと感じます。

フリーソフトウェア/オープンソースの精神に共鳴するアークウェブの有志は、仕事の時間内だけでなく個人の時間も使ってZen Cartの発展に貢献してきました。

これからも、日本でのZen Cartの発展に貢献していきたいと思います。

本業での貢献:「ecoったー」「Miqqle」などの実験的サービス

アークウェブは、「ウェブ屋ができる社会貢献の実験」の意味もこめて、2つのウェブサービスを企画運営しています。
ひとつはTwitterにエコな行動についてつぶやける「ecoったー」。もう一つは、楽天市場やAmazon.co.jpで買い物した際のアフィリエイト収入をNGO・NPOに寄付することができる「Miqqle」です。

NGO・NPOへの寄付など

年に1回、売上利益の一部のNGO・NPOなどへの寄付を行っています。
寄付先としては、先鋭的な問題に取り組み、目に見える効果をあげている小さなNGOやNPOを優先しています。また、災害復興などのための寄付は随時行っています。

さまざまな負荷を減らす

待機電力を減らす、ゴミを減らす、など環境負荷を下げる努力をしています。
また、できるだけ残業を減らす働き方も、環境資源と共に生活の持続可能性を高めるうえで重要だと考えています。

CSRにおける課題

「アークウェブのCSR指針」に従って活動するうえで、以下のような課題があると認識しています。

  • さまざまな活動で、その効果を測定するための指標が決まっていません。
  • 本業と貢献活動の割合、利益に対する寄付の割合、など適切なリソース配分について模索中です。
  • ステークホルダーである「地域社会」との関わりについて、どんなことをすればいいのかがわかっていません。

これらの課題には随時取り組んでいきます。

公開:2009年4月23日

アークウェブのCSRへの取り組みについてご意見、ご提案などありましたら、ぜひお聞かせください。

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アークウェブの活動

オープンソースへの貢献

Zen Cart
アークウェブは、Zen Cart日本語公式サイト「Zen-Cart.JP」と、Zen CartをオープンソースのECソフトウェアとして発展させるために取り組んでいます。

ウェブサービス

necoったー
Twitterで仮想ペット"neco"と暮らすことができるマッシュアップサービス。ユニークな実験コミュニケーションサービスです。
miqqle
Amazonや楽天市場で買い物するとNPO/NGOに寄付ができてしまう、社会貢献型サービス。Greasemonkeyなどを使っています。

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  • ソロモン・リリーフ

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Kiva - loans that change lives
アークウェブは、マイクロファイナンスサービス「kiva.org」で途上国の起業家(主にアジアの女性)に融資を行っています。
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